ごみとも通信139号
◆ ビールメーカーと話し合いをします◆
私たちは、昨年後半、缶ビールのクラスターパックにこだわって
きっかけは、6月の古紙リサイクルの学習会で、「缶ビールのクラスターパックは
難リサクル品で、回収業者・古紙問屋泣かせの困りもの」と知ったことでした。
茶紙なので、段ボールと一緒に出せばよいとばかり思っていた私たちには、
そこで、市民に知らせる、メーカーに問い合わせる、リサイクル現場を見に行くな
どの活動を重ねてきました。
そして、この度、ビールメーカー4社の環境担当の方々が直接お話ししたいと
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●日時:2月25日(土)
午後 1:30 ~ 3:30
●場所:清瀬駅前ハイツ集会室
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ふるってご参加ください。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆ これまでのまとめ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆
・缶ビールのクラスターパックとは?
「クラスター」は「房」の意味です。
様々の商品で、3~6本入りの包装形態があり、これをクラスターパッ クと呼ん
でいます。
問題になっているのは、缶ビールのクラスターパックのみです。
●なぜ、リサイクルが難しいのか?
防水加工が強すぎて、水に溶けないためです。
●ただし、
この紙を生産している板紙メーカーだけは、細かく砕いて段ボールや板紙に再生する
処理工程をもっています。
でも、この工場に集めて送るシステムはありません。
●ふつうの再生紙メーカーでは、
最後まで溶けずに残ったものを残渣として捨てるか、サーマルリサイクル(燃やす)
しています。再生紙にすることはできません。
●古紙問屋では、
回収業者から買い取った古紙の中から、手選別でクラスターパックを取り出し、納入
先の再生紙メーカーにあわせて、量を按配するしかありません。納入先によっては
「処理不適物」扱いで代金から引かれることもあります。そのためにも、クラスター
パックだけ分けて出してほしいと
●ビールメーカーの考え方
「冷やして飲む」というビールの商品特性上、現状では最適の材質です。
法律に則り、リサイクル費用を払っているので、リサイクルされているはずです。
●町の酒屋さんとしては、
「あれは、量販店やディスカウントショップ向けでしょう。うちなんかでは邪魔にな
る。量販店が回収すればいいんじゃないの。それより、やっぱりビールはビンで買っ
てほしいよね。
古紙リサイクルの現場を見てきました
(1月23日、清瀬市消費者団体連絡会のバス見学会に参加しました)
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見学先1)古紙問屋●JP資源株式会社 東村山営業所
東村山市久米川町5-32-15
042(392)2101
◆ 東多摩再資源化事業協同組合(東資協)加盟の古紙問屋で、集団回収・行政回収
・新聞販売店の回収による新聞・段ボール・雑誌・雑がみ・古布を扱っています。こ
の日は、ちょうど清瀬からの荷物も搬入されてきていました。東資協の紺野理事長も
かけつけ、ていねいな説明をしてくださいました。
◆◆作業の流れ◆◆
1) パッカー車が台貫に乗り、重量を量る。
↓
2) 古紙プレス機の受け入れ口に、パッカー車からザーッと古紙を降ろす。
↓
3) プレス機の上方に古紙がゆっくりとコンベアで昇っていく間に、作業員が手早
く異物を取り除く。
↓
4) 1m × 1m × 1、8m (約1トン)の直方体で、太い針金でしばっ
た状態のベーラー品になって押し出されてくる。
↓
5)まとまったら、製紙メーカーに出荷。
◆◆よくある混入異物◆◆
●ダイレクトメールの透明ビニール封筒
●ラップの刃(最近は少ない)
●朝日新聞の茶色の袋(清瀬ではまだ使われている)
●(新聞の袋の中)ハサミ、漬け物石
●金・銀の紙
●宅配便の伝票(段ボールに貼付いている)
*ここでは、缶ビールのクラスターパックは見かけませんでした。
ほとんどの場合、燃えるごみに出されているのかも知れませんね。
◆◆びっくり! 古布事情◆◆
30%はウェス(ぞうきん)に。
40%は中古衣料品として輸出。
30%は返品されてゴミに。
(2割までは柳泉園で燃やせるが、後は産廃として処分)
★中国が、繊維産業保護のため、中古衣料品の輸入を全面禁止している
ため、東南アジアと韓国にしか輸出できない。
★そのため、厚手のコートや冬物は、ゴミに。
(ロシアは、サイズが合わないので売れない)
Tシャツ、下着、カーテンなどはOK。
★ユニクロのもの、ペットボトルの再生品はダメ。
◎古繊維の問屋さんには一目でわかるので、「これはどうかな?」と思
うものも、資源で出してもらい、こちらで選別処理するほうがよい。
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見学先2)トイレットペーパー製造工場●鶴見製紙株式会社
埼玉県鳩ヶ谷市南8-1-10
048(283)3620
◆首都圏にはめずらしい製紙工場です。1945年に横浜市鶴見区に設立され、
鳩ヶ谷市はまわりを川口市に囲まれ、南は足立区に隣接しています。
江戸時代に農業用水として開発された新芝川のたもとに工場があります。
新芝川は約6キロ先で荒川に合流します。
◆◆古紙100%のトイレットペーパーを作る◆◆
●140トン/日の古紙を使う。
1トンが20本分の立木に相当するので、1日に2800本分の立
木を保護していることになる。
●水を7000トン/日使い、6500トン/日を放流。
廃水はバクテリアで処理し、公共下水道処理レベルを達成している。
●電気代が月4000万円かかる。
それでも、パルプから作るより安い。パルプは、チップにする際に
電力を食う。
◎環境によく、リサイクルすることの難しさを教えられました。
◆◆原料は、オフィス古紙と機密書類◆◆
●JP資源株式会社のような古紙問屋から買い付けます。さっき見てきたばかりのベー
ラー品がたくさん積まれています。
●中国の買い付け価格が高くなり、原料不足になったため、原料の30%は機密書類
を使っている。(個人情報保護法施行により、官公庁・金融機関などの機密書類が燃
やせなくなったことに対応)
◆◆ 販路は ◆◆
ドラッグストアとホームセンター
清瀬ではトモズで売っています。
◆◆トイレットペーパーができるまで◆◆
1) 古紙を溶かす(パルパー)
水で溶かす。機密書類は段ボール箱のまま投入。
↓
2)異物を除去する。 →金属・プラスチックなどは産業廃棄物に。
↓
3) 紙繊維にする。
(洗浄、殺菌漂白、洗浄、スクリーニングを経て)
※塩素は使わない。 →残渣(ペーパースラッジ)は、
園芸肥料や、
↓ もみがらの代用として転炉剤に。
→新日鉄君津工場へ。
4) 沙紙機でジャンボロールに
紙繊維を水で500倍に薄め、高速でシリンダーに吹きつける。
↓
5)細く巻く(ワインダー) ← エンボス加工、ミシン目、香り付けも
↓ 行なう
6)切る(ログカッター)
※意外な事実・・・シングルロールは、2枚重ねの倍時間がかかるので、
コストがかさむそうです。
◎昔からトイレ紙には古紙が使われていました。今でも、市販のトイレッ
トペーパーの70%は古紙100%だということです。悩みは、スーパ
ーなどの目玉商品として安く売られてしまうことです。
エコまつり(清瀬市消費生活センター)のお知らせ
石けんで遊ぼうコーナー
2時~4時 アスベスト学習講座
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◎次回定例会は、2月25日(土)午後3時30分~5時
清瀬駅前ハイツ集会室にて
※会費を集めています。